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大月侑にとってのダンスとは、私たちの身体が知らず知らずのうちに従っている規定を解除していくための取り組みである。
誰かが、何らかの目的のために定めたルールやものの使い方。それらを前に一度立ち止まり、「本当に従わなければならない価値観なのか」を問うことから創作が始まる。すると、その価値観は絶対に覆されない強固なものではないことに気づく。
人間によって整えられた形式や向き合い方をわずかにずらしてみる。
- 椅子をひっくり返して置く。
- 鏡に光をあてる。
- 人間を連続的な量として扱う。
このようにして決まりごとが揺らぐ場を設定する。そこで立ち現れる身体は、社会的な身体操作の決まりから自由になる。椅子をひっくり返して置いたとき、”いつものように”腰掛けることはできないように。正しく、立派だと評価される身体とは異なる、一見間違いなようで弱々しく、しかし飾らない身体が生まれる。この揺らぎのある身体を手がかりに、決まりごとが生まれ、解かれ、変容していく世界のやわらかさを探究しようとしている。
2026年8月
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